家具の日焼けの原因と対策

家具の日焼けの原因と対策

新築戸建の北欧住宅のインテリアコーディネーターを担当していた当時、担当した施主から数年後にリノベーションをしたいというご相談の依頼を受けて、久しぶりにお宅にお邪魔したのですが、パイン材の腰壁や床が新築時から比べて、飴色に日に焼け変色していました。

リノベーションはお子様が独立されたので、夫婦で趣味の部屋を作りたいという要望での現調でしたが、壁に掛けた時計を外すとそこだけ日に焼けておらず白いまま、食器棚やテレビボード、ソファも同様で家具を動かすとそこだけ白いままになっていました。

パイン材の白木が日焼けによってここまで色が変わることにも驚きましたが、知らず知らずに陽を浴びて陽射しによるダメージがこんなにもあるのかと改めて感じた経験があります。

今日はこれから来る夏に向けて、家具の日焼けの原因と対策を考えてみたいと思います。

そもそも家具は日焼けするの?

はい、日焼けします。

家具に使用している素材によりその日焼けの大小、影響はかなり大きく異なります。また家具の仕上げによっても日焼けの仕方が変わります。

木材が無垢材なのか合板なのか、また仕上げの塗装がオイルなのかウレタンなのかでも、日焼けによる影響は日焼けに限らず家具自体のダメージにも影響してきます。

無垢材と言われる天然の材で作られた、特に白木と言われる、皮を剥ぎ削っただけで何も塗装していない杉やヒノキ。またパイン材と呼ばれるマツの木などの木材は、日焼けによる経年変化がよく現れます。

家具の配置と素材で異なるダメージ

家具といっても素材は様々あります。木材の他、レザー、ファブリック、スチール、ガラス、プラスチックなどの樹脂製もあります。

以前ショールームにご来店され、無垢材 無塗装のアメリカ製のダイニングテーブルを購入されたお客様から、“バキ、メキ、ギシッという音が夏場から度々するようになり、いつの間にか大きなヒビがダイニングテーブルの天板にできた”と連絡をいただいたことがあります。

現調へ伺うと、確かにまるで氷山のクレパスのような5cm以上あるヒビが無垢材の天板に1本入っていました。その時の配置はダイニングテーブルが真南向きに配置されていて、窓からの陽射しが長い時間テーブルに注がれる状況、尚且つ、冷暖房機の風が直接あたるという状況でした。

上記のような状況はテーブルが参ってしまう環境です。白木の無垢材のテーブルは、肌でいうと顔を洗顔したまま何もつけずに南の窓にずっと座り、冷暖房の風を浴びてダメージを受けカサカサになってしまった肌と似ています。また室内の湿度も関係してきます。

こちらのお客様には販売時に無垢材の特徴、ケアをご説明していたのですが、購入されてから一度もケアをしたことがなく、冷暖房をつけない時期は窓を開けて自然風をよく取り込んでおり、室内はいつも乾燥気味(カビ対策とのこと)の状況でした。ご本人も「ここまで本当に割れるとは。家具も手入れが必要なのですね」と驚かれておりました。

随分前になりますが、イタリアデザイナーが作った樹脂製のワゴンをホワイトカラーで購入し使用していたところ、少しずつ変色してきました。

薄く黄ばみがかったようになり、中のトレイを見るとそれほど変色はなかったのですが、日の当たる方面の変色が酷くなっていました。ホワイトカラーの樹脂は変色すると色が黄ばみ汚く見えてしまいます。

そのワゴンはまだまだ使用できたのですが、結局黄ばみが気になり手放しました。それを機に家具に樹脂製の物を買うときはとても吟味するようになりました。

日焼けのダメージを防ぐ対策

以前、ファブリックの織り生地でできた3人掛けソファを窓際につけて使用していたことがあり、気がつくと背もたれの一番高いところが変色を起こし、織糸がもろくなっていたこともあります。数年、同じ場所に置いていたのが原因でした。

このように日焼けしてしまう家具の事例を挙げてきましたが、日やけを防ぐ対策も必要です。

・窓にUVカットシートを窓に施す
・遮熱・遮光性のあるレースカーテンを下げる
・窓にオーニング(陽射し避け)をつける

など、日が室内に入らないように対策することも大切です。

最近、スタイリッシュにウィンドウトリートメントをしたいお客様が増え、リビング窓に縦にブラインドが付いているスタイルのバーチカルを希望されることがあります。

バーチカルのスタイルはレースやドレープは使用しませんので、バーチカルの羽だけの操作で陽射しの調整をします。
これではきちんと陽射しを調整ができませんので、センターレースタイプのような遮光レースがついたバーチカルブラインドを選ぶと、陽射しの調光が調節できるので大変便利に使えます。

安く、シンプルにばかりを追求していると機能性が欠けてしまうことにもなります。住まいの中で大切な家具、長く使いたい物を守る工夫も考慮しながらインテリアを作りあげていくことがポイントになります。

また家具を同じ場所に置いたまま使用するのではなく、可動できる家具はレイアウトを時々変えて、同じ面が陽射しに当たらないように、また冷暖房機の風にさらされないようにしてあげることも家具を良い状態に保つコツです。

レイアウトは暮らしにも変化がつき、リフレッシュにもなりますので特にオススメですよ。

Text=大島香(topophili)http://www.topophili.com